サルでも書ける雑記ブログ(仮)

私の好きなように自由に書いてくブログです。

バスツアーのバスの中で。

先日、バスツアーで日帰り旅行をしてきた。
私はバスツアーよりも、自由に動ける旅行の方が好きなのだが、
今回は知人の誘いもあって、参加することにした。

そのツアーは盛況で、バスは満席状態。
そういった事情もあって、私は赤の他人である、高齢の男性と相席となった。
座席に着き、私はその初対面の男性に軽くあいさつをした後、
朝早かったこともあり、すぐさま眠りに着いた。

バスは様々な観光地へと私達を運んでくれた。
それぞれの場所に行く度に、私とその相席となった男性は
バスの中で簡単な感想を互いに口に出しあった。
「湖がキレイな色でしたね。」
「季節も丁度良かったね。」
そんなような、本当に簡素な会話だった。
たまたま相席となった関係の、それ以上でもなく、それ以下でもないような無難な内容の話。
私はそれでも構わなかった。
別にそういった会話も嫌いではないから。

ツアーの最後に訪れた観光地は、広大な自然に囲まれた、とてもキレイな所だった。
正直、その前に行った数カ所の観光地は大したものではなかったのだが、
ツアーの大トリを飾ったその場所は、純粋に感動できるものであった。

バスに戻ると、再び私達は感想を言いあった。
「今の場所、大満足でしたね!」
「うん、とても良かったよね。」
しかし今回は、そんな内容だけに会話は終わらなかった。
最後に訪れた場所の景色に感動したからなのか、
私との会話を楽しもうと働きかけてくれたからなのか、
理由は分からないのだが、その男性は自分に関する色々なことを語ってくれた。
私もそれに合わせて、男性に色々な質問をした。
そういう話を聞くのは、嫌いではないから。

すると、その男性の様々なことが分かった。
旅行が好きなこと。
おすすめの観光地のこと。
山登りが好きなこと。
体力作りのために毎日歩いていること。
妻が数年前に亡くなったこと。
それまでは2人で旅行に行っていたこと。
それからの旅行は1人になってしまったこと。

人生の背景に少し触れたことで、ただの隣に座っていた彼の存在は途端に厚みを増した。
時々忘れてしまいそうになるのだが、1人1人の人間は、それぞれにささやか楽しみだとか、大きな悲しみを持っていて、その人、独自の物語を持って歩んできている。
その価値は物では計れない尊さがある。
忘れてはいけないことなのだが、たまにそのことを忘れてしまう。私は忘れっぽいから。
他人と関わることで、毎回そのことを思い出せる。

それから男性は、こんなことも言っていた。
「旅をしている時よりも、旅を計画している時の方がワクワクして楽しい」
まるで遠足に行く前の小学生のようだと、私達は一緒になって笑った。
ツアーが終わる頃には、始まりの時よりも打ち解けて終われた。
その男性とは、これから先、もう二度と会うことはないのだろうけど、その一時の交流も、また旅の醍醐味なのだと思う。