サルでも書ける雑記ブログ(仮)

私の好きなように自由に書いてくブログです。

ある10月31日の出来事。

去年だったと思う。
日も暮れた頃、突然家のチャイムが鳴った。
インターフォンの画面を見ると近所の子供(小学校5年生くらいの男の子)が立っていた。
「……ト………リート………トリ………」
その子は何かブツブツ言っているのだが、インターフォン越しで、いまいちよく聞こえない。
とりあえず私は玄関を開けて、直接「どうしたの?」と尋ねた。
するとその子は「お菓子ください」と言うではないか。
私は一瞬固まった。
「ん?え?何だ?はっ?お菓子?え?何?」
状況を整理しようと、色々な情報が私の頭を駆け巡る。
普段、私があいさつしてもシカトするような近所のやんちゃ坊主が、
突然、私の家にやってきて「お菓子をくれ」と言っているぞ…。
そういえば、さっきインターフォン越しに「………リート」とか何とかブツブツ言ってたな…。

「あ!ハロウィンか!トリック・オア・トリートか!」
気付くのに遅れたのは、その子が何の仮装もしていなかったからだ。
短パンと半袖。どうやらそんな格好でも寒くはないらしい。

そもそもウチの近所には、ハロウィンによその子供が訪ねてくるなどという風習はそれまで全くなかった。
突如の不意打ちである。あげる菓子など準備しているハズがない。
「いや、お菓子ないんだよね。残念ながら。」
正直にそう伝えると、その子は口をポカンと開けてあんぐりしていた。

しかし、普段あいさつを無視するくせに(私はそのことをちょっと根にもっていた笑)よくウチに菓子をもらいに来たもんだな。と私は思った。
その図々しさは、むしろアッパレである。

私はその図太さに免じて、
「じゃあ、一緒にお菓子買いに行くか!」とその子と一緒に近所のスーパーに菓子を買いに行く事にした。

そしてスーパーに歩いて行く道の途中でいろいろ質問をしてみた。
「クラスの友達も近所を回ってるの?」
「何で仮装はしてないの?笑」
「ウチに来るまで何件回ったの?」などなど。

そうしてその少年のハロウィン事情がいろいろと分かった。
仮装とかはどうでも良くて、単純にお菓子が欲しかったらしい。
しかし、他の近所の家にも何件か回ったのだが、全然収穫はなかったそうだ。
そりゃそうだ。この周辺にそういった習慣は根付いていない。
私と同様にフリーズしたであろう近所の人達の顔が浮かぶ。

スーパーに辿りつき、アレルギーが何かあるかを確認した上で、好きな菓子を1つ選ばせた。
あと他に兄弟が2人いる事を私は知っていたので、その子らの分も選ぶようにと伝えた。
散々迷っていたが、結局選ばれた菓子はガムやチョコといったオーソドックスなものであった。

家に帰る途中、その子に一応、念をおして言っておいた。
「お母さんには、買ってもらったと言うと怒られるかもしれないから、近所を回ったら貰えたとだけ言っといてね。」と。
まあ、その子の母親の性格も知っていたので、買ってもらった事がバレた所で何を責められるワケでもないという事は分かってはいた。
しかし無駄に気を使わせてしまうであろう事は十分に考えられた。
「わざわざ先日は買いにまで行って頂いたそうで〜」などというやり取りを相手にさせる事は本意ではない。
買った事は黙っておけば良いのだ。嘘にはならない。
ハロウィンで菓子をあげた。ただそれだけのことだ。

その別れ際、少年は「ありがとう」の礼も言わないで自分の家に帰っていった。
本当に図太いなオイ(笑)

ただ翌日から、少し変化が起きた。
その子は私にあいさつを返すようになったのだ。